2009年

2009年3月 3日 (火曜日)

武満徹展

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上野公園の旧奏楽堂にて「武満徹展」と題して、作曲家武満徹のピアノ・歌作品と、朗読(武満自身の言葉を引用)、映像(曲のイメージにあわせて演奏とともに放映)、書(動・静という今回の公演のキーワードを舞台に掲示)とのコラボレーションを試みた内容のコンサートを開催しました。

そもそも私が武満徹に魅了されたのは、大学一年生の時に出場したコンクールのセミファイナルで「雨の樹素描」という作品を演奏したのがきっかけでした。斬新な和音の響きのなかにも繊細さや品格が感じられ、なんといっても空間的で、音と音の間の微細な響き(鳴った音の減退に耳を澄ます)の揺れや、休符(無)の緊張感(間)によって不思議な感覚に誘われていく「武満ワールド」がなんとも快感になってしまったわけです(笑)。

その後大学院修士も武満徹を研究し、卒論の指導を楽理科の方に!!!と切羽詰まって足を運んだ教室にたまたまいらっしゃったのが、今回企画・制作して下さった山本華子先生でした。この出会いとご縁がきっかけで、書の金周曾さん(華子先生のご主人)、映像の李容旭さん、歌の小高深雪さん、司会解説の渡邊未帆さん、朗読の竹内修さん、美術監修の美柑和俊さん、その他関係者スタッフの皆様との和が広がり、このような公演が実現できたことに感謝と喜びを持って演奏に臨めました。

書が掲げられた舞台上では、演奏、映像と演奏、解説、朗読、といったいくつかの組み合わせで進行していくなかで、照明の明暗も考えて、お客さんには、視覚的・聴覚的に楽しんでいただけるようにしました。

通し稽古や打ち合わせは何度かしていましたが、実際会場で行ってみると細々したことで戸惑いもあり、当日の限られた時間の中でのセッティングやリハーサルではあっという間に時間がすぎてしまいましたが、それぞれのベテランの先生方のサポートのおかげで本番に間に合うことができました。

旧奏楽堂の歴史を重ねてきた深みのある独特の雰囲気の中、ソロの演奏会では味わうことのできない空気の流れと空間の広がりに感動しながらの演奏でした。目線の先には、力強い金さんの書がありそこからエネルギーを頂き、出番を待ち朗読を間近で聴いていると、竹内さんの声を通して武満さんから直接言われているかのような感覚になり、李さんの映像の時は薄暗く鍵盤もぼやけ、もはや瞑想の感覚に似た状況になったことで何かが研ぎ澄ませれ、小高さんとの共演では、彼女のとても表現豊かで真っ直ぐな感性が放たれ、それぞれの流れと組み合わせの中で、とにかく触発の連続でした。

何もかもが新鮮でフツフツと内的興奮の治まらない貴重なステージとなりました。武満さん本人はどのように感じられたでしょうか???天からのメッセージは???

いろいろと反省はありましたが、普段のコンサートとは違った内容でお客さんから楽しんで頂けたとのお声を聞けたのでホッと肩の力が抜け、今後の演奏活動に対して背中を押して頂けたように感じます。

今回ご尽力下さいました、出演者の皆様、関係者スタッフ、そして温かくご支援頂きました台東区の皆様、心より深く感謝申し上げます。また、当日ご来場下さった皆様どうも有難うございました。

そして、この世に素晴らしい作品を残して下さった武満徹さんにも感謝を捧げて・・・

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